「やり切った？」という問いかけの重み
まだ、もっとやりたいこともある
岩本アナは、11年間を振り返ってこう語っています。
「やり切った？おは朝でないとできない貴重な経験をたくさんさせてもらった。でも、まだ、もっとやりたいこともあるような」
この言葉、すごく正直だと思いませんか？
「やり切った」と言い切れない——それが、人間の本音なのでは…。
どんなに頑張っても、どんなに成果を出しても、「もっとできたんじゃないか」「もっとやりたいことがあるんじゃないか」——そういう思いは消えない。
元教師が見る「未完の美学」
教師を35年やって、私が最後に感じたのも同じでした。
「やり切ったか？」と自分に問うた時、正直に「やり切った」とは言えなかった。
もっと生徒と向き合えたんじゃないか、もっと良い授業ができたんじゃないか——そんな思いが残っていたんです。
でも、今ならわかります。
「やり切った」と言い切れないからこそ、次の挑戦が生まれるんですね。
完璧に満足してしまったら、もう前に進めない。
「もっとやりたいこともある」——その思いが、人生を前に進ませるんです。
岩本アナの「でも、まだ、もっとやりたいこともあるような」という言葉には、次の挑戦への期待と、今の自分への不完全さの受容——その両方が込められているんだと思います。
後任・古川昌希アナへの信頼
「迷わず彼を選びたい」
岩本アナの後任には、同局の古川昌希アナウンサーが就任します。
岩本アナは古川アナについて、「迷わず彼を選びたい」と全幅の信頼を寄せています。
これ、簡単なようで難しいことですよね。
11年間自分が築き上げてきた番組を、後輩に託す。
それも、「迷わず」と言い切れるほどの信頼。
これは、岩本アナ自身が番組と後輩に対して、本当の意味で「手放す覚悟」ができているということです。
元教師が見る「世代交代の美学」
教師を引退する時、私も後任の先生に教室を託しました。
その時、私が心がけたのは、「自分のやり方を押し付けない」ということでした。
後輩には後輩のやり方がある。
自分が築いたものを手放し、次の世代に任せる——それが、世代交代の美学なんですね。
岩本アナの「迷わず彼を選びたい」という言葉には、そういう潔さと信頼が込められていると感じます。
芸能界では、世代交代のタイミングで様々なドラマが生まれますが、岩本アナのように後輩を全面的に信頼できる関係性は、とても美しいものです。
Q&A：「49歳での人生の転機をどう考えるか」元教師の視点から
Q1：49歳で新しい挑戦をするのは、遅くないですか？
A：全く遅くありません。むしろ、49歳だからこそできる挑戦があります。20代の若さとは違う、人生経験に裏打ちされた「覚悟」と「洞察」——それを持って挑戦できるのが、40代後半から50代の強みです。岩本アナのヒマラヤ挑戦も、単なる「無謀な冒険」ではなく、「人生を見つめ直す」という明確な目的があるからこそ、意味があるんですね。
Q2：「人生の中間地点」で何を考えるべきですか？
A：私は教室で生徒たちに「人生は一度きり」と教えてきましたが、40代後半から50代は、その言葉を自分自身に問い直す時期です。「このまま同じことを続けていいのか」「本当にやりたいことは何か」——そういう問いに、正直に向き合うこと。そして、答えが見つかったら、行動に移す勇気を持つこと。それが、人生の充実につながります。
Q3：11年間同じ仕事を続ける意味は何ですか？
A：11年間、毎朝5時に起きて番組に出続ける——これは、並大抵の覚悟じゃできません。でも、その「継続」こそが、人間を成長させるんです。岩本アナは「目の前のことに毎日必死で過ごしていた」と語っていますが、その「必死さ」の積み重ねが、11年という時間を作り上げたんですね。継続は力なり——この言葉の重みを、岩本アナは体現しています。
Q4：「やり切った」と言い切れない時、どうすればいいですか？
A：「やり切った」と言い切れないのは、悪いことじゃありません。むしろ、それは次の挑戦への原動力です。岩本アナも「まだ、もっとやりたいこともあるような」と語っています。完璧に満足してしまったら、もう前に進めない。不完全さを受け入れ、「もっとやりたい」という思いを次のステップに活かす——それが、人生を豊かにする秘訣です。
おわりに：「集大成」とは、新しい挑戦の「入口」に立つこと
岩本計介アナウンサーの卒業とヒマラヤ挑戦——この選択が、私たちに教えてくれることは何でしょうか。
それは、「集大成」とは何かを完成させることではなく、新しい挑戦の「入口」に立つことだということです。
49歳で、11年間続けた番組を卒業し、標高5,545mのヒマラヤに挑む。
これは、単なる「終わり」ではなく、「始まり」なんですね。エベレストの「頂上」ではなく、「入口」を目指す——その選択に、岩本アナの人生観が表れています。
元社会科教師として35年以上、多くの若者の人生の転機に立ち会ってきた私としては、この「49歳の決断」に大きな希望を感じます。
人生は、年齢で区切られるものじゃない。
いつだって、新しい「入口」に立てる。その勇気と覚悟を持ち続けること——それが、人生を豊かにする秘訣なんですね。
岩本アナのヒマラヤ挑戦が成功することを、心から祈っています。そして、私たち一人ひとりも、自分自身の「入口」を見つけ、そこに立つ勇気を持ちたいですね。
あなたの「集大成の挑戦」は、何ですか？
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
