見どころ|髙橋海人×芳根京子の演技と15年の重み

初共演の化学反応に期待
芳根京子さんは、朝ドラ『べっぴんさん』やドラマ『波うららかに、めおと日和』で高い評価を得てきた実力派女優。一方、髙橋海人さんはKing & Princeのメンバーとして音楽活動をしながら、俳優としても着実にキャリアを積んでいます。
対照的な二人が、入れ替わりという設定でどんな演技を見せるのか。
10月27日に開催された東京国際映画祭のレッドカーペットでは、芳根京子さんが髙橋海人さんについて「なんなんだ、このヒロインは!?」と絶賛していました。共演者から見ても、驚くほどの演技だったようです。
髙橋海人さんにとって、これは初めてのレッドカーペット。緊張しながらもキュートなハートマークを披露する姿が話題になりました。
他にはない「15年間」という時間軸
入れ替わりものの映画やドラマは数多くあります。
でも、『君の顔では泣けない』が決定的に違うのは、この「15年間」という圧倒的な時間の長さ。『君の名は。』は数日から数週間、他の作品も長くて数ヶ月です。
ところがこの作品は、高校1年生から30歳まで。人生の半分を、入れ替わったまま過ごすんです。進学、就職、結婚、出産、親との別れ——すべての人生の転機を、自分じゃない体で迎える。
これは単なるファンタジーじゃない。「自分とは何か」を問う、哲学的な物語なんです。
元社会科教師が見る深いテーマ
長年社会科を教えてきた私から見ても、このテーマは非常に興味深い。
「アイデンティティとは何か」「自分として生きるとは何を意味するのか」——これは哲学や倫理の根本的な問いです。でも、この映画はそれを説教臭くなく、青春ドラマとして描いている。
他人の人生を生きざるを得なくなった二人が、どうやって「自分らしさ」を取り戻すのか。あるいは、新しい自分を見つけるのか。
実はこれ、現代を生きる私たちにも通じる普遍的なテーマなんですよね。SNSで他人の人生を見て羨んだり、自分らしさを見失ったり。そんな経験、誰にでもあるはずです。
原作は新人賞受賞の傑作小説
原作は君嶋彼方さんの小説『水平線は回転する』。のちに『君の顔では泣けない』に改題されました。
この作品、実は第12回小説野性時代新人賞を受賞しているんです。2021年の出版時から話題を集め、多くの読者の心を揺さぶってきました。
原作ファンの間では、「映画化されてもこの繊細さを表現できるのか」という期待と不安が入り混じっていました。でも、東京国際映画祭での反響を見る限り、その心配は杞憂に終わりそうです。
坂下雄一郎監督の繊細な演出
監督・脚本を務めるのは坂下雄一郎さん。『決戦は日曜日』や『ピンカートンに会いにいく』で知られる監督です。
坂下監督の特徴は、切なくもみずみずしい人間ドラマを描く繊細さ。15年という長い時間軸を、123分という尺でどう見せるのか。きっと、無駄のない構成と丁寧な演出で、観客を物語に引き込んでくれるはずです。
東京国際映画祭で大きな話題に
10月27日、第38回東京国際映画祭のオープニングイベントが開催されました。
レッドカーペットには芳根京子さんと髙橋海人さんが揃って登場。髙橋海人さんにとっては初のレッドカーペットということもあり、緊張した面持ちながらもファンに手を振る姿が印象的でした。
芳根京子さんは髙橋海人さんの演技について「本当に素晴らしいヒロインだった」と絶賛。撮影現場でのエピソードも交えながら、二人の息の合った掛け合いが会場を沸かせました。
映画祭での反響を見る限り、公開後の評判も期待できそうですね。
よくある質問|『君の顔では泣けない』について
Q1:原作小説と映画の違いはあるの?
原作のタイトルは『水平線は回転する』でしたが、映画化にあたり『君の顔では泣けない』に変更されています。基本的なストーリーは原作に沿っていますが、映画ならではの演出や展開が加えられている可能性があります。原作ファンも、初めて触れる人も、両方楽しめる作りになっているはずです。
Q2:前売り券はどこで買える?
公式サイトや各映画館のオンラインサイトで前売り券が販売されています。通常、公開の1~2ヶ月前から販売開始されることが多いので、今ならもう購入できるはずです。ムビチケなどを利用すれば、特典付きの前売り券も手に入りますよ。
Q3:年齢制限はある?
この映画はG指定(年齢制限なし)なので、どなたでも鑑賞できます。家族で観に行くのもおすすめです。ただ、テーマが少し重いので、小さなお子さんには少し難しいかもしれませんね。
Q4:『君の名は。』などの入れ替わり作品とどう違う?
最大の違いは、やはり「15年間」という時間の長さです。『君の名は。』は数日から数週間、『転校生』も数日程度。それに対して『君の顔では泣けない』は、高校1年生から30歳まで、人生の大部分を入れ替わったまま過ごします。この圧倒的な時間軸が、他の作品にはない深みを生み出しているんです。
Q5:髙橋海人さんの他の出演作は?
髙橋海人さんは、ドラマ『ハイスクール・ミュージカル』や『合理的にあり得ない』などに出演。バラエティ番組でも活躍しています。ちなみに、以前坂上忍さんから「ガチ説教」を受けたエピソードが話題になりましたが、それを乗り越えて俳優として成長してきた姿が素晴らしいですね。
Q6:芳根京子さんの代表作は?
芳根京子さんの代表作は、朝ドラ『べっぴんさん』やドラマ『波うららかに、めおと日和』。最近では東京ドラマアウォードで主演女優賞を受賞するなど、高い評価を得ています。繊細で丁寧な演技に定評があるので、今回の役柄もぴったりだと思います。
まとめ|この記事でわかったこと
映画『君の顔では泣けない』は、2025年11月14日に全国公開される感動のラブストーリーです。
この記事のポイント
- 公開日:2025年11月14日(金)、上映時間123分
- 主演:芳根京子×髙橋海人の初共演
- あらすじ:高校1年生から30歳まで、15年間入れ替わったまま過ごす男女の物語
- 見どころ:他にはない長い時間軸、二人の演技、アイデンティティをめぐる深いテーマ
- 原作:第12回小説野性時代新人賞受賞作
- 話題:東京国際映画祭レッドカーペットで大きな反響
ただの入れ替わりものじゃない。15年という歳月が、二人の人生を、そして観る私たちの心を揺さぶります。
「自分として生きる」とは何か。
この映画は、その答えをそっと教えてくれるはずです。公開まであと少し。映画館で、髙橋海人さんと芳根京子さんの渾身の演技を体感してください。
きっと、観終わった後、自分の人生を見つめ直したくなりますよ。
 
	 
