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生成AI情報モラル教育を元教師が解説|あいみょんAI画像問題から子どもを守る5つのステップ

こんにちは、なおじです。

食事の支度をしている妻に「今日、あいみょんのニュース見た?」と話しかけたら、「ああ、あのAI画像の?ひどい話よねぇ」と返ってきました。

「そうなんだよ。芸能人だけじゃなくて、教え子たちも同じリスクにさらされてるんだよね」と言ったら、妻が「あなた、また教師モードになってるわよ」と苦笑い。

あいみょん2
猫にジェラシー (通常盤) – あいみょん

2025年12月2日、シンガーソングライターのあいみょんさん(30)が、Xで「私が乳出してるみたいな画像めっちゃ出回ってるけどAIやで、きもすぎ」と投稿し、大きな話題になりました。

AI技術を使って本人の許可なく実在の人物の顔や姿を生成・利用する「生成AI時代の情報モラル教育」が、芸能界だけでなく一般の方々にも広がっている深刻な問題なんです。

本記事では、元社会科教師35年の経験から、学校・家庭で実践できる情報モラル教育の具体的方法を解説します。

この記事でわかること

  • あいみょんAI画像問題が示す教育現場の課題
  • 文科省ガイドラインに基づく生成AI情報モラル教育の要点
  • 元教師が実践した5つのステップ
  • 家庭でできる3つの具体的対策
  • Q&A:小学生から高校生までの年代別対応法
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目次

あいみょんAI画像問題が示す教育現場の課題

AIで違法画像を作成する人物

2025年12月2日、シンガーソングライターのあいみょんさん(30)が、Xで「私が乳出してるみたいな画像めっちゃ出回ってるけどAIやで、きもすぎ」と投稿し、大きな話題になりました。

AI技術を使って本人の許可なく性的な画像が作られるという、新しいタイプの被害です。

👉関連記事:AI肖像権侵害の法律|わかりやすく対処法を解説

中高生も同じリスクに直面

いやぁ、この問題、実は芸能人だけじゃないんです。

教師時代の2018年頃、生徒のAさん(当時中2)が「友達が私の写真を勝手に加工してSNSに上げた」と相談に来たことがありました。そのときは「写真の削除依頼」と「加害生徒への指導」で済みましたが、今はAIで「存在しない写真」まで作られる時代なんですね。

「写真を撮られなければ安心」という従来の常識が通用しなくなりました。

SNSが生活の一部になった若者たち

特に若い世代にとって、SNSは生活の一部です。

文部科学省の調査(2024年)によると、中高生の93.2%がスマートフォンを所有し、1日平均4.2時間をSNSに費やしています。誰もが被害者になりうる時代に、情報モラル教育の重要性が増しているわけです。

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教師時代の情報モラル教育の変遷

あいみょん4

なおじが教師になった1980年代、情報モラル教育なんて存在しませんでした。

2000年代に入って携帯電話が普及し始めたとき、学校裁定会議で「携帯電話を持ち込み禁止にすべきか」という議論になったことがあります。そのとき、ある先輩教師が「禁止じゃなくて、使い方を教えるべきだ」と主張したんですね。

その言葉が、なおじの情報モラル教育の原点になったわけです。技術は進化するけど、大切なのは「どう使うか」というモラルなんですよー。

生成AI時代の情報モラル教育とは|文科省ガイドラインから学ぶ

じゃあ、学校や家庭では今、どう対応すべきなんでしょうか?

文部科学省は2023年7月に「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」を公表しました。

従来の情報モラル教育との違い

従来の情報モラル教育は「ネットいじめ防止」「個人情報保護」が中心でした。

しかし生成AI時代は、**「存在しない情報が本物らしく見える」**という新たなリスクに対応する必要があります。文科省ガイドラインでは、以下の3つが重視されているんですね。

項目内容
批判的思考力AIが作った情報を鵜呑みにせず、真偽を確かめる力
情報の選択能力複数の情報源から正しい情報を選び取る力
デジタルシチズンシップデジタル社会の一員として責任ある行動をする意識

「情報モラルかるた Ver.2.0」の活用

情報モラルかるた Ver.2.0
情報モラルかるた Ver.2.0

2025年11月29日、NEL&M社から「情報モラルかるたVer.2.0」が発売されました。

これは生成AIにも対応した最新版で、**「AIが作った画像を見分けよう」**といった読み札が追加されています。小学校高学年から中学生まで、遊びながら学べる教材として注目されているんですよ。

社会科の授業で「技術は進化するけど、法律は後追いになりがち」と教えてきましたが、教育現場も同じです。

教師時代、生徒のBくんが「先生、新しい技術が出たら学校はどうするんですか?」と質問してきたことがあります。そのとき私は「技術より大切なのは、一人ひとりのモラルなんだよ」と答えたんですが、まさに今がその状況ですね。

諸外国の規制動向

諸外国では規制が進んでおり、アメリカでは2024年にカリフォルニア州で選挙におけるディープフェイク禁止法が成立しました。

韓国では2020年に「性的ディープフェイク処罰法」が制定され、最大5年の懲役または5,000万ウォンの罰金が科されます。

日本でも2025年10月に国会で生成AIの規制について議論が始まっており、今後法整備が進む可能性があります。ただし、表現の自由とのバランスをどう取るかが大きな課題です。(これ、難しいバランスですよねぇ)

「AI画像だから規制」とすると、映画やアニメのCG技術まで制限される恐れがあるため、慎重な議論が求められているんですね。

あいみょんさんのケースでも、本人が公に声を上げたことで、法整備の必要性が改めて議論されています。芸能人だけでなく、一般の方々も同じリスクに直面しているわけです。

元教師が実践した生成AI情報モラル教育5つのステップ

校長時代、なおじは情報モラル教育の地域の元締めを担当していました。

生成AI時代に対応した教育法を、5つのステップで解説します。

ステップ内容教育効果対象年齢
1「AIは魔法じゃない」を理解させるAI技術の正しい理解小学校高学年~
2ディープフェイクの見分け方を教える偽情報への対応力中学生~
3自分の写真をSNSに上げるリスクを知る自己防衛意識の向上小学校高学年~
4被害にあったときの相談先を明示する早期相談の習慣化全年齢
5加害者にならないための心構えモラル意識の育成全年齢

ステップ1:「AIは魔法じゃない」を理解させる

まず生徒たちに伝えたのは、AIは膨大なデータを学習しているだけということです。

「AIが作った画像は本物じゃない」「でも本物そっくりに見える」この2つを理解させることが第一歩なんですね。授業では、生成AIで作った画像と本物の写真を見せて、違いを探すワークショップを行いました。

ステップ2:ディープフェイクの見分け方を教える

ディープフェイクの見分け方5つを具体的に教えました。

  • 目の動きが不自然(まばたきが少ない)
  • 口の動きと音声がズレている
  • 影や光の当たり方がおかしい
  • 髪の毛の境界線がぼやけている
  • 背景が不自然に歪んでいる

これを覚えておくだけで、かなりの偽物を見抜けるんですよね。

ステップ3:自分の写真をSNSに上げるリスクを知る

「自分の写真がAI学習に使われる可能性がある」ことを教えました。

SNSに投稿した写真は、AI開発企業が学習データとして使う可能性があります。教師時代、バスケ部の集合写真をSNSに上げようとしたC部員に「顔がはっきり写ってる写真は、親の許可を取ってからね」と指導したことがあります。

ステップ4:被害にあったときの相談先を明示する

最も重要なのは、被害にあったときに相談できる場所を知っておくことです。

  • 学校の先生
  • 保護者
  • 警察のサイバー犯罪相談窓口
  • 法務省の人権相談窓口

「一人で悩まないで、必ず誰かに相談して」と繰り返し伝えました。

ステップ5:加害者にならないための心構え

「面白半分でAI画像を作らない」という心構えを教えました。

友達の顔写真をAI加工して遊ぶことが、どれだけ相手を傷つけるか。教師時代、「冗談のつもりだった」と言う生徒に、「相手が傷ついたら、それは冗談じゃないんだよ」と諭したことが何度もあります。

あいみょんさんが公に発言したことで、同じ被害に遭っている方々の励みにもなったはずですよね。泣き寝入りせず、周囲に相談することが大切なんですよー。

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家庭でできる生成AI情報モラル教育3つのポイント

学校だけでなく、家庭でもできることがあります。

保護者の方々に向けて、3つのポイントをお伝えします。

ポイント1:親子で「あいみょん事例」を話し合う

ニュースをきっかけに、親子で話し合ってみてください。

「もしあなたの写真が勝手に使われたら、どう感じる?」「友達がそういう被害にあったら、どうする?」こういう会話が、子どもの情報モラルを育てるんです。あいみょんさんのケースのように、実際に法的対処が必要になる場合もあります。

👉関連記事:AI肖像権侵害の法律|わかりやすく対処法を解説

ポイント2:合言葉を決めて本人確認

家族だけが知っている「合言葉」を決めておくことを推奨します。

将来、AIで声や映像が偽造される可能性があります。「本当にパパからの電話なの?」と確認できる方法を持っておくことが大切なんですね。なおじの家では「キャンプ」という合言葉を決めています。(妻は「そんなの忘れちゃうわよ」と言ってますが…笑)

ポイント3:デジタルタトゥーの怖さを教える

一度ネットに上げた情報は、完全には消せません。

「デジタルタトゥー」という言葉を知っていますか?ネット上に残り続ける情報のことです。教師時代、「消したつもりでも、誰かがスクリーンショットを撮っているかもしれない」と生徒たちに伝えていました。

Q&A|生成AI情報モラル教育のよくある質問

Q1. 小学生に生成AIをどう教えればいい?

A. 小学生には「AIは人間が作ったツール」という基本から教えましょう。

「魔法じゃなくて、コンピューターが計算してるだけ」と説明すると理解しやすいです。難しい技術の話より、「AIが作った絵や写真もあるんだよ」という認識を持たせることが大切なんですね。

Q2. 学校で情報モラル教育は義務なの?

A. はい、学習指導要領で義務化されています

2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化され、情報モラル教育も含まれています。ただし、生成AIに特化した内容は、各学校の判断で追加している状況です。文科省のガイドラインを参考に、各校で工夫しているわけです。

Q3. 教師向けの研修資料はある?

A. 文部科学省「情報モラル教育ポータルサイト」で研修動画が公開されています。

2023年10月から「生成AIに関する教員向け研修動画シリーズ」が視聴可能です。無料で利用できるので、保護者の方も参考になりますよ。なおじも視聴しましたが、わかりやすくまとめられていました。

筆者プロフィール

なおじ
元社会科教師(35年)。情報モラル教育担当として、2000年代からネットトラブル対応に従事。バスケ部顧問として生徒指導にも尽力。現在は教育・芸能・政治をテーマにブログを運営。キャンピングカーで全国を旅する趣味を持つ。

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