映画『スペシャルズ』のダンスが心に残るのは、佐久間大介さんが華やかに踊るからだけではない。
モダンバレエの素地を持つ元殺し屋ダイヤと、経験も性格もばらばらな仲間たちが、同じ音楽に合わせようとする。その不器用な時間が、ダンス場面に妙な熱を与えています。
殺し屋が、白いスーツで踊る。
なぜ、その姿がただの余興で終わらないのでしょうか。
『スペシャルズ』のダンスは、アクションとは別の見せ場ではなく、ダイヤたちが同じチームになるまでの物語そのものです。ダイヤの役柄、5人の特訓、劇中楽曲を手がかりに、その面白さをたどります。

ダイヤという人物像から先に知りたい方は、役柄とあらすじをまとめた記事を読むと、このダンスの見え方も変わってきます。
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この記事のポイント
Q1. 『スペシャルズ』のダンスはなぜ印象的?
映画『スペシャルズ』のダンスが印象的なのは、個性も経験も異なる5人の殺し屋が、暗殺任務のために同じ振り付けへ挑むからです。公式が「協調性ゼロ」と紹介する5人が同じ拍に乗ろうとする姿に、作品ならではの可笑しみと熱が生まれます。
Q2. ダイヤはどんなダンスを踊る人物?
佐久間大介さんが演じるダイヤは、モダンバレエを習っていた設定を持つ元殺し屋です。二丁拳銃を扱う危険な過去と、バレエの身体表現が同居することが、映画『スペシャルズ』におけるダイヤのダンスの独特な輪郭になっています。
Q3. 『スペシャルズ』のダンスで使われる曲は?
映画『スペシャルズ』では、「フライディ・チャイナタウン」やTRFの「EZ DO DANCE」などがダンス場面で使われます。白スーツの5人が踊る映像や、「EZ DO DANCE」に合わせた映像も映画公式から公開されています。
ダイヤのモダンバレエが、ダンスに「線」をつくる
ダイヤのダンスには、二丁拳銃を扱う元殺し屋という危うさと、モダンバレエを習っていた人物らしい身体の記憶が重なっています。
映画公式によれば、ダイヤはモダンバレエを習っていたものの、ある出来事をきっかけにダンスを嫌いになった過去を持つ人物です。今は児童養護施設で補助職員として働きながら、ダンス大会へ向かう任務に巻き込まれていきます。
二丁拳銃とモダンバレエ。並べると、ずいぶん妙な履歴書です。でも、その妙さがダイヤを平板な“強い主人公”にしないんですね。危険な過去と、ダンスを遠ざけた時間。その両方を抱えた人物が、再び音楽の前に立つところから、この映画のダンスは始まります。
佐久間さんは、ダイヤについて「バレエはやっていたがヒップホップはやったことがない」という前提を置き、ターンの仕方や手の伸ばし方を考えたと語っています。
ここで、なおじは少し立ち止まりました。
踊れる人が、自分の得意な動きをそのまま出すのではなく、ダイヤの不慣れさや過去まで身体に入れようとしている。二丁拳銃とモダンバレエという妙な組み合わせが、単なる設定ではなく、ダイヤの動きの理由になっているように思えます。
5人がそろうまでの特訓が、映画の熱を支える

『スペシャルズ』のダンスは、最初から完成された5人が見せるショーではない。
役者たちが同じフォーメーションに立つまでの特訓の時間まで含めて、映画の熱になっています。
公式の特訓ドキュメンタリーでは、椎名桔平さん、青柳翔さん、小沢仁志さんがクランクイン前から約1か月レッスンを重ね、その後に佐久間さんと中本悠太さんも加わって、5人のフォーメーション練習に進んだと紹介されています。
役者ごとに歩んできた道は違っても、画面では同じ振り付けと立ち位置を覚えていく。ここが面白い。公式が「協調性ゼロ」と呼ぶ殺し屋たちを演じる5人が、現実の撮影でも同じタイミングを探していたのです。
白スーツ 拍をそろえて 癖が出る
白い衣装でそろっても、5人が歩んできた時間まで同じになるわけではない。
だから、なおじには、きれいにそろった一瞬よりも、そこへ至るまでに重ねた練習の方が好きかな。
フォーメーションの中で誰かの動きに合わせる、その小さな繰り返しが、ダンスチーム「スペシャルズ」の足元をつくったのでしょう。
白スーツと名曲が、殺し屋たちをダンスチームに変える
『スペシャルズ』のダンス場面は、白スーツの統一感と、世代をまたぐ楽曲の力で、殺し屋たちを不思議なダンスチームに見せています。
公式は、挿入歌「フライディ・チャイナタウン」に合わせて、白スーツの5人がダンスを披露する動画を公開しています。振付はakaneさんが担当しました。殺し屋たちがそろいの白スーツで踊るという映像だけでも、この作品のアクションとダンスが交わる独特のムードが伝わってくるんです。
白いスーツは、5人を同じチームに見せます。でも、服だけで仲間になるわけではない。
だからこそ、同じ衣装で同じ曲に乗る姿に、なおじは少し笑ってしまいました。任務のために集まった男たちが、いつの間にかダンスチームの顔になっているのです。
さらに、TRFの「EZ DO DANCE」の映像は、本編映像と出演者たちが踊る姿をつないだマッシュアップとして公開されました。殺し屋たちの暗殺任務という本筋に、明るいダンスチューンが重なる。この振れ幅に、なおじは『スペシャルズ』らしい遊び心を感じました。
佐久間大介のダンスを、上手さだけで終わらせない

佐久間大介さんのダンスが『スペシャルズ』で印象に残るのは、技術の高さだけを見せるためではなく、ダイヤという人物の設定と結び付いているからです。
Snow Manでの佐久間さんを知る人なら、動きの軽さやリズム感に目を奪われるでしょう。けれどダイヤは、元殺し屋であり、児童養護施設で働き、モダンバレエを習っていた人物でもあります。
佐久間さんがターンや手の伸ばし方をダイヤとして考えたという言葉を聞くと、なおじには、ダンスは佐久間さんの得意分野を披露する場だけには見えなくなりました。元いた世界とは違う音楽の中で、ダイヤという人物の身体がどう動くのか。その問いが、白スーツの場面に重なります。
公式には、二丁拳銃とモダンバレエを持つダイヤ、そして「協調性ゼロ」とされる5人のダンスチームという設定が並んでいます。その5人が白スーツで「フライディ・チャイナタウン」を踊る映像を見ると、なおじの目には、誰が一番目立つかより、危険な仕事をしてきた男たちが同じ振りで並ぶ、その取り合わせの妙が残ります。
よくある質問
『スペシャルズ』の振付を担当したのは誰ですか?
「フライディ・チャイナタウン」など、映画『スペシャルズ』の振付はakaneさんが担当しています。
『スペシャルズ』で使われるダンス曲は何ですか?
劇中では「フライディ・チャイナタウン」「EZ DO DANCE」のほか、「センチメンタル・ジャーニー」などが使われています。
ダイヤのダンススキルは何ですか?
ダイヤは幼少期にモダンバレエを習っていた設定の人物です。映画公式では、二丁拳銃とモダンバレエがダイヤのスキルとして紹介されています。
5人のダンス特訓の映像はありますか?
映画公式は、出演者5人がダンス特訓に取り組む様子を収めたドキュメンタリー映像を公開しています。クランクイン前からのレッスンやフォーメーション練習の一部を見ることができます。
筆者紹介|なおじ

公立小・中学校で約35年、校長として11年、子どもや保護者、地域の人たちと向き合ってきました。現在は、ドラマや芸能の記事で、作品の設定だけでなく、人物が置かれた背景や人と人の関係を読み解いています。
映画のダンス場面を語るときも、単に「上手い」「すごい」で終わらせず、公式に確認できる設定や役者の言葉を土台に、その動きが人物や仲間の関係に何をもたらすのかを考えています。
本記事は、『スペシャルズ』のダンスを、ダイヤの過去と現在、そして5人が同じ拍へ近づく時間から発想を得ました。