MENU

AI肖像権侵害の法律とは|あいみょん事例から学ぶ対処法を元教師が解説

こんにちは、なおじです。

朝、スマホでニュースを見ていたら、「あいみょんさんのAI画像が拡散」という見出しが目に飛び込んできました。思わず「これはひどい…」とつぶやいたら、横から妻が「あなた、また朝から何騒いでるの?」と呆れ顔。

「いや、これは本当に問題だよ!AIで勝手に作られた画像が…」と説明し始めたら、「あなたはすぐ熱くなるわねぇ」と言われてしまいました。(ムぅ、でもこれは許せないでしょう!)

猫にジェラシー (初回限定Blu-ray盤) – あいみょん

2025年12月2日、シンガーソングライターのあいみょんさん(30)が、Xで「私が乳出してるみたいな画像めっちゃ出回ってるけどAIやで、きもすぎ」と投稿し、大きな話題になりました。

AI技術を使って本人の許可なく実在の人物の顔や姿を生成・利用する「AI肖像権侵害」が、芸能界だけでなく一般の方々にも広がっている深刻な問題なんです。

本記事では、元社会科教師35年の経験から、AI肖像権侵害に関する法律の基礎と対処法をわかりやすく解説します。

スポンサーリンク
目次

この記事でわかること

  • あいみょん事例から学ぶAI肖像権侵害の実態
  • AI画像による肖像権侵害に適用される日本の法律
  • 被害にあったときの具体的な対処法4ステップ
  • 諸外国の規制状況と日本の法整備の課題
  • 元教師が教えるSNSトラブルへの心構え

AI肖像権侵害とは|あいみょん事例が示す問題の深刻さ

2025年12月2日、シンガーソングライターのあいみょんさん(30)が、Xで「私が乳出してるみたいな画像めっちゃ出回ってるけどAIやで、きもすぎ」と投稿し、大きな話題になりました。

AI技術を使って本人の許可なく実在の人物の顔や姿を生成・利用する行為を指します。

この問題の厄介な点、わかりますか?

本人が実際に撮影されていないにもかかわらず、本人の容姿を使った画像が勝手に作られるわけです。従来の肖像権侵害は「撮影された写真の無断使用」が中心でしたが、AI技術の発達により「存在しない写真」が作られる時代になったんですね。

もう「写真を撮られなければ安心」とは言えなくなったわけかー。

さらに深刻なのは、あいみょんさんのケースのように性的な画像が作成されるケースが多いことです。これは単なる肖像権侵害ではなく、人格権の侵害、場合によっては名誉毀損にも該当する可能性があるんですね。

本人が「きもすぎ」と表現したのは、自分の意思とは全く関係なく、性的な対象として消費されることへの強い怒りと不快感の表れだったと思います。

教師時代、SNSでのトラブルが急増した2010年代後半、生徒のAさん(当時高2)が「友達が私の写真を勝手に加工してSNSに上げた」と相談に来たことがありました。

そのときは「写真の削除依頼」で済みましたが、今はAIで「存在しない写真」まで作られる時代です。「撮られてないから大丈夫」では済まない、新しいリスクが生まれているわけですね。

特に若い世代にとって、SNSは生活の一部です。

「写真を撮られなければ安心」という従来の常識が通用しなくなった今、誰もが被害者になりうる時代なんですね。

AI肖像権侵害に関する日本の法律|規制の現状と課題

じゃあ、日本の法律では今、どう対応できるんでしょうか?

実は、AI生成画像を直接規律する法律は存在しません。ちょっと驚きですよね。

しかし、従来から存在する以下の法律が適用される可能性があります。

AI肖像権侵害に適用される法律一覧

法律名根拠条文適用される場合罰則
肖像権侵害民法709条本人の容姿を無断使用損害賠償請求
名誉毀損刑法230条虚偽の事実で社会的評価を下げた3年以下の懲役または50万円以下の罰金
著作権法著作権法元写真に著作権がある損害賠償請求・差止請求
わいせつ物頒布罪刑法175条性的なAI画像を公開2年以下の懲役または250万円以下の罰金

ただし、AI画像の場合「実際に撮影していない」という点が、従来の肖像権侵害とは異なるため、法的判断が難しいケースもあるんです。

諸外国では規制が進んでおり、アメリカでは2024年にカリフォルニア州で選挙におけるディープフェイク禁止法が成立しました。

韓国では2020年に「性的ディープフェイク処罰法」が制定され、最大5年の懲役または5,000万ウォンの罰金が科されます。

日本でも2025年10月に国会で生成AIの規制について議論が始まっており、今後法整備が進む可能性があります。ただし、表現の自由とのバランスをどう取るかが大きな課題です。

「AI画像だから規制」とすると、映画やアニメのCG技術まで制限される恐れがあるため、慎重な議論が求められているんですね。

社会科の授業で「法律は時代に合わせて変わる」と教えてきましたが、AI技術の進化スピードは法整備を大きく上回っています。

教師時代、生徒のBくんが「先生、新しい技術が出たら法律はどうするんですか?」と質問してきたことがあります。

そのとき私は「法律は後追いになりがちだから、一人ひとりのモラルが大切なんだよ」と答えたんですが、まさに今がその状況ですね。

あいみょんさんのケースでも、本人が公に声を上げたことで、法整備の必要性が改めて議論されています。

芸能人だけでなく、一般の方々も同じリスクに直面しているわけです。

👉関連記事:【解決】ダンダダンYOSHIKI著作権問題|制作側謝罪で和解成立の背景

AI肖像権侵害への対処法|被害にあったらどうする?

もしあなたやあなたの知人がAI肖像権侵害の被害にあった場合、4つのステップで対処します。

重要なのは、早期対応が被害拡大を防ぐということです。

AI肖像権侵害の対処法ステップ

ステップ対処法実施内容重要度
1証拠の保全スクリーンショット・URL・投稿日時を記録★★★
2プラットフォームへの削除依頼SNSの報告機能を利用して削除申請★★★
3法的措置の検討弁護士に相談して民事訴訟・刑事告訴を検討★★☆
4警察への相談サイバー犯罪相談窓口に通報★★☆

1. 証拠の保全

まずはAI画像のスクリーンショットやURL、投稿日時などを記録しましょう。

削除される前に証拠を残すことが重要です。

2. プラットフォームへの削除依頼

X(旧Twitter)、Instagram、FacebookなどのSNSには、肖像権侵害やなりすまし投稿を報告する機能があります。

プラットフォームの利用規約に基づいて削除を依頼できます。

特に重要なのが②のプラットフォームへの削除依頼です。X(旧Twitter)、Instagram、Facebookなどには「肖像権侵害」や「なりすまし投稿」を報告する機能があります。

あいみょんさんのケースでも、本人が公に声を上げたことで、ファンや関係者が一斉に通報し、多くの画像が削除されたようです。

ただし、一度拡散された画像を完全に削除することは困難です。スクリーンショットで保存されたり、別のアカウントで再投稿されたりするからです。

だからこそ、初期段階での迅速な対応と、「この画像はAIで作られた偽物です」という情報発信が重要になるんですね。

3. 法的措置の検討

削除されない場合や被害が深刻な場合は、弁護士に相談して民事訴訟(損害賠償請求)や刑事告訴を検討します。

特に性的なAI画像の場合、名誉毀損やわいせつ物頒布罪が成立する可能性があります。

4. 警察への相談

脅迫や恐喝を伴う場合は、すぐに警察に相談しましょう。

サイバー犯罪相談窓口が各都道府県警察に設置されています。

教師時代、いじめ問題に対応した経験から言えるのは、被害者が声を上げることの重要性なんです。

バスケ部でも、AさんとBさんの間に入って悩んでいたC部員が、最終的に「もう無理です」と私に相談してくれたことで、早期解決できたケースがありました。

あいみょんさんが公に発言したことで、同じ被害に遭っている方々の励みにもなったはずですよね。泣き寝入りせず、周囲に相談することが大切なんですよー。

👉関連記事:【鹿乃つの】万博マルシルコスプレ事件の全容|殺害予告に至る経緯

AI肖像権侵害Q&A|よくある疑問に答えます

Q1. AIで生成した画像なら、肖像権侵害にならないのでは?

A. いいえ、AI生成でも肖像権侵害になる可能性があります。(これ、よく誤解されるんですよねぇ)

実際に撮影していなくても、本人の容姿と同一または酷似した画像を無断で公開・利用すれば、肖像権を侵害したと判断される可能性が高いんです。

Q2. 自分の顔がAI学習に使われているか確認する方法は?

A. 残念ながら、現時点では一般人が確認する方法はありません。

AI開発企業が公開していないため、どの画像が学習データに含まれているかは不明です。ただし、SNSに投稿した写真は学習に使われる可能性があると考えるべきですね。

Q3. AI生成画像の作成者を特定できる?

A. SNSのアカウント情報から特定を試みますが、匿名アカウントの場合は困難です。

ただし、弁護士を通じてプラットフォーム運営会社に開示請求を行い、IPアドレスから投稿者を特定できるケースもあります。

筆者プロフィール

なおじ
元社会科教師(35年)。政治・法律・歴史をわかりやすく解説するブログを運営。バスケ部顧問経験を活かしたスポーツ分析も得意。キャンピングカーで日本各地を旅する趣味を持つ。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次