『豊臣兄弟!』で秀吉・秀長の妹、あさひを演じているのは、俳優の倉沢杏菜(くらさわ・あんな)さんです。2005年生まれの21歳。『VRおじさんの初恋』のナオキや『光る君へ』の藤原妍子(ふじわらの・きよこ)で、見覚えのある方もいるでしょう。
あさひ役を見て、「この人、どこかで見たことがある」と思いませんでしたか。
制服姿のVRアバター、平安貴族の姫、そして戦国の農家の娘。
同じ顔が、役ごとに別の人物へ変わる。
プロフィールから主な出演作、大学での学び、あさひ役への向き合い方まで、公式情報と本人の取材をたどれば、「あさひ役の人」が一人の俳優として見えてくるはずです。

倉沢杏菜はどんな人?プロフィールとデビュー
倉沢杏菜さんは神奈川県出身、レプロエンタテインメント所属の俳優です。2022年のオーディション合格を経て、翌年から映像作品への出演を重ねてきました。
「くらさわ・あんな」と読む、2005年生まれの俳優

所属事務所の公式プロフィールなどで確認できる基本情報は、次のとおり。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 倉沢杏菜(くらさわ・あんな) |
| 生年月日 | 2005年3月18日 |
| 年齢 | 21歳(2026年10月18日時点) |
| 出身地 | 神奈川県 |
| 所属 | レプロエンタテインメント |
| 身長 | 162.5cm |
21歳という数字だけで「若い俳優」とくくるのは、少しもったいない。出演作を並べると、役の幅がよく分かります。
オーディションを経て、2023年に俳優デビュー
出発点は、2022年に合格した「レプロ30周年主役オーディション」。所属事務所の発表によると、約5000人の応募者の中から選ばれ、2023年の『パパとなっちゃんのお弁当』でキャリアをスタートしました。
演じたのは牧尾奈菜。日本テレビの登場人物紹介にも、役名と倉沢さんの名前が並んでいます。
映画では、同じ2023年の『18歳、つむぎます』でスクリーンデビュー。映画.comのプロフィールも、この作品を映画の出発点として紹介しています。
最初の役名は、牧尾奈菜と田中敬子。
この時点ではあさひもナオキも、まだ先の話。
なおじ(筆者)は、この役名の積み重ねに、俳優のキャリアを感じるんです。
倉沢杏菜の主な出演作|ナオキ、妍子、あさひへ

倉沢さんの出演作には、アバター、生徒、平安時代の姫、現代の会社員と、立場の違う役が並ぶ。時系列に並べたのが、次の表。
| 年 | 作品 | 役名・出演の位置づけ |
|---|---|---|
| 2023年 | パパとなっちゃんのお弁当 | 牧尾奈菜/ドラマ初出演 |
| 2023年 | 18歳、つむぎます | 田中敬子/スクリーンデビュー |
| 2024年 | VRおじさんの初恋 | ナオキ |
| 2024年 | ビリオン×スクール | 松下リナ |
| 2024年 | 光る君へ | 藤原妍子/大河初出演 |
| 2025年 | 君のスマホを見てみたら | 高橋優香/ドラマ初主演 |
| 2026年 | 豊臣兄弟! | あさひ |
『VRおじさんの初恋』ではアバターのナオキ役
『VRおじさんの初恋』は、2024年4月にNHK夜ドラで放送が始まった作品。倉沢さんが演じたナオキは、野間口徹さん演じる会社員・直樹が、VRゲームの世界で過ごす制服姿のアバターです(Apple TVの作品紹介)。
現実世界では中年の会社員、VR世界では制服姿の少女。放送前の本人インタビューでも、この役への向き合い方を語っています。
最終回のあとには「Vおじロス」の声が上がり、ナオキを演じた倉沢さんにも注目が集まったと、ENCOUNTが伝えました。
役作りの助けになったのは、撮影前の本読み。
STREAMのインタビューによると、まず野間口さんがナオキのセリフを読み、その後に倉沢さんが読む時間が設けられたそうです。
野間口さんと演出の吉田照幸さんから助言を受け、その場で修正するやり取りも。
その経験以降、自分で台本を読んでも野間口さんの声が浮かび、役作りを想像しやすくなったと語っています。
声を似せるという話ではなく、直樹がそのとき何を感じているかを大事にしたという説明。見た目の違う二人が同じ人物を演じるために、本読みで一つずつ確かめていた。なおじには、この準備の場面が面白く映ります。
『ビリオン×スクール』では松下リナ役
『ビリオン×スクール』で演じたのは、生徒の松下リナ。フジテレビの公式ニュースは、リナを「スクールカースト1軍女子」と紹介し、学校の外にも交友が広く、他校の先輩やバイト先の大学生ともつるむ人物と説明しています。
ナオキは、VRの世界で孤独を楽しんできた役。
リナは、人の輪の中にいる役。
どちらも2024年の現代劇なのに、立っている場所は正反対です。
『光る君へ』では藤原道長の次女・妍子役
藤原妍子(ふじわらの・きよこ)は、藤原道長と源倫子の次女。2024年10月13日放送の『光る君へ』第39回で初登場し、倉沢さんにとっては初の大河出演でした(サンスポ)。
派手好きで自由奔放。
所属事務所の出演発表は、妍子をそう紹介しました。
倉沢さん自身は、扮装解禁時のコメントで、強く楽しく生きていそうに見えて、実は孤独感や満たされない気持ちを抱えた人物だと受け止めたと語っている(ORICON)。
倉沢さんは『光る君へ』で藤原妍子を、続く大河『豊臣兄弟!』ではあさひを演じています。
ORICONのキャラクター紹介は、あさひを天真らんまんで、いつも前向きに笑顔を絶やさない人物と書いています。
貴族の次女として育った『光る君へ』の妍子と、貧しい農家の暮らしから登場する『豊臣兄弟!』のあさひ。
同じ「歴史上の女性」でも、生まれた家も、日々の暮らしもまるで違う。
その二人を同じ倉沢さんが演じていると思うと、なおじ(筆者)は、もう一度それぞれの役を見比べたくなるんです。
初主演作を経て、『豊臣兄弟!』あさひ役へ
2025年10月14日深夜、日本テレビ系の『君のスマホを見てみたら』で、倉沢さんはドラマ初主演を飾った。演じたのは、SNSの裏アカウントに本音をつづることだけを心の支えにする会社員・高橋優香(ORICON NEWS)。
そして2026年、『豊臣兄弟!』であさひ役。貧しい農家の暮らしの中で笑顔を絶やさない、天真らんまんな妹です。
現代のホラーサスペンスの主人公から、戦国の農家の娘へ。舞台も、人物が抱える事情も、がらりと変わる。出演年表の隣り合う二行にも、これだけ違う役が並んでいます。
物語全体の流れや史実との関係を知りたい方は、全話感想のハブ記事へ。
👉関連記事:『豊臣兄弟!』全話感想と史実から読む秀長の歩み
顔は一つなのに、役名をたどるたびに別の人物に出会う。
平安の 姫が今度は 「腹へった」
倉沢杏菜の大学は?英文学と語学への関心

倉沢さんの大学名は、今回確認した資料からは特定できませんでした。一方、2024年の本人取材で分かるのは、英文学を専攻し、第二外国語として韓国語を学んでいたこと。
大学名より先に分かる、英文学を学んでいたこと
MANTANWEBの2024年11月の記事に登場する倉沢さんは、当時19歳の現役大学生です。
本人もYahoo!ニュースのインタビューで、大学で英文学を専攻していると回答。エンタメNEXTでは、英語と韓国語を学び、日常会話程度なら話せると語っていました。
英文学と韓国語。その二つを、仕事でどう使ってみたいのか。MANTANWEBの取材では、こんな希望も話しています。
「なので語学を生かせる海外作品にはいつかは、という思いもありますし、英語圏に限らず、韓国の作品にも出られたらいいなと思っています」
英語圏だけでなく、韓国の作品にも出てみたい。大学で学んでいた言葉が、出演してみたい作品の話にも、そのまま出てくるんですね。
なおじ(筆者)は、この答えがいいなと思うんです。
「語学を頑張っています」で終わらず、その言葉を使って働いてみたい場所まで語っている。
2024年当時の倉沢さんには、教室で学ぶ英語と韓国語の先に、海外の撮影現場へ立ってみたいという希望があったのですね。
英語への興味と、海外作品に出演する夢
英語への入り口は、幼稚園の頃に見た『ハイスクール・ミュージカル』のDVD。STREAMのインタビューでは、母が見せてくれた映画を繰り返し楽しみ、踊りや歌だけでなく英語にも興味が湧いたと語っています。
妹と車の中でサウンドトラックを流し、大熱唱していたという思い出も。
そして、2024年11月のMANTANWEBの取材では、ゆくゆくは海外作品への出演も夢見ていると紹介されました。2026年7月公開のインタビュー記事でも、趣味の欄には英語・韓国語の語学学習が挙がっています。
5歳の頃に楽しんだ映画が、英語への興味になり、大学での学びや仕事の夢へつながる。長く学校にいた者として、なおじはこの伸び方に目が行きます。車の中で歌っていた英語と、いつか仕事で使いたい英語。その二つが、同じ人の中で続いているのですね。
あさひ役への準備に見える、仕事との向き合い方

あさひ役への準備として、倉沢さんが取材で語っているのは、役が決まる前のお墓参りと、縁の地を訪ねたことです。
役が決まる前に、あさひのお墓へ
倉沢さんは、STREAMのインタビューで、『豊臣兄弟!』への出演が決まる前に、あさひのお墓参りに行ったと語っています。
歴史上の人物を演じるからこそ、役と誠実に向き合いたい。その思いから始めた準備だったそうです。
2026年1月のスポニチの取材でも、役作りについて「あさひさんの縁の地に寄らせていただいて」と話していました。
役に決まってからではなく、決まる前に、あさひのお墓へ足を運んでいた。なおじ(筆者)は、そこまで準備してオーディションに臨んでいたのかと、少し驚いたんです。
「天真爛漫」を、家族との関係から考える

あさひの役柄を表す言葉は「天真らんまん」
その根源には家族への思いがあるという趣旨を、倉沢さんはNHKラジオの番組ページで語っています。
母のなか(坂井真紀さん)や姉のとも(宮澤エマさん)が毎日やりくりする貧しい暮らしの中でも、あさひは食べることが大好きで、素直に「おなかすいた」と言えてしまう。
倉沢さんはステラnetのコメントで、そう語っています。
あさひの夫・甚助(のちの副田吉成)を演じる俳優が気になった方は、前原瑞樹さんの記事も。
👉関連記事:甚助役・前原瑞樹と『らんまん』藤丸役の共通点
一方で倉沢さんは、TVガイドWebの2026年1月の取材で、史跡巡りなどの準備を重ねつつ、脚本で描かれる今のあさひを真っすぐに体現したいと語り、現場が本当の家族のようだとも話しています。
史実のあさひと、脚本の中のあさひは、もちろん同じではないでしょう。
それでも、史実を調べ、その人が何を思い、どう暮らしたのかを想像しながら、脚本の人物を演じる。その間を行き来する想像力も、役者の仕事には必要なんですね。
倉沢さんの演技には、その想像力を感じるんです。
よくある質問
倉沢杏菜の趣味・特技は?
事務所の公式プロフィールでは、趣味は風景写真を撮ることとK-POPダンス。特技・資格には、クラシックバレエ、ダンス、茶道、片目をきれいに閉じることが並びます。ほかの媒体のプロフィールには、趣味として語学が載る例も。
倉沢杏菜は舞台にも出演している?
初舞台は、2024年11月の『138億年未満』。東京・本多劇場と大阪・サンケイホールブリーゼで上演され、大阪弁にも挑戦したと、MANTANWEBが伝えています。
倉沢杏菜は映画にも出演している?
映画では、2023年の『18歳、つむぎます』に出演。本人インタビューでは、クラスの人気者を応援する田中敬子役について話しています。
倉沢杏菜の公式プロフィールはどこで見られる?
所属するレプロエンタテインメントの公式サイトに、アーティストのページがあります。基本項目は、生年月日、身長、趣味、特技・資格。『豊臣兄弟!』の出演情報も載ります。
筆者紹介|なおじ

公立小・中学校で約35年、校長として11年、教育に携わりました。
指導主事として学校を外側から見た経験もあります。
人物記事では、出演作や役名をたどりながら、その人が何を学び、どんな準備を重ねて仕事に向き合ってきたのかに目を向けています。
本記事も公式プロフィールと本人への取材記事を土台に、確認できる事実と筆者の見立てを分けて執筆しました。